2009年7/8月合併号

NI No.424 & NIジャパン No.112

北極の未来・環境・先住民
The Arctic

気候変動の影響により、北極の海氷は年々縮小し、氷結していない夏の北極海の出現は秒読み段階に入っている。極寒と氷という環境に適応して生きてきた動物たちと、やはりその寒さと氷雪をうまく生活の中にいかし、動物や魚を生きる糧として生活してきた先住民族。現在、そのどちらもが気候変動の影響によって生存をかけた闘いを強いられている。そしてまたその氷という障害物が消えゆくおかげで、北極地域に眠る石油・ガス・鉱物資源の採掘や北極海航路の利用が現実味を増し、国やビジネスの熱い視線が北極に集まっている。過熱する北極ブームの裏側で、現地に住む先住民族と動物、そして環境は今、どうなっているのか。そして、どこへ向かっているのだろうか。
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● NI No.424 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に翻訳(全訳)もしくは要約記事を掲載しています。


2 読者の声
PLUS:ビッグバッドワールド(風刺漫画)
目の前のことに執着するあまり…

4 すでに起きている異変<翻訳>
気候変動による影響を受けているのは、ホッキョクグマなどの動物だけではない。北極に住む先住民も、すでに生活様式を変えざるを得ないところまで追い込まれている。アラスカへ取材に行ったジェス・ワースが、カクトビック村で目の当りにした現実と、アンカレッジで行われた「気候変動に関する先住民族世界サミット」で聞いた北極地域に住む多くの先住民族の生の声を報告する。

8 北極の気候<翻訳>
地球の温度調節機能の重要な一部となっている北極。そこで起きている変化と、その変化が地球に及ぼす影響について、イラストと写真で解説する。

10 石油産業の誘惑
村人にはスイカやくだものをプレゼントとして配り、高校の卒業式では卒業生全員に無料でノートパソコンを配る。石油会社は、何とか地域の人々の協力を取りつけ、石油開発ができるようにとさまざまな手を尽くしている。石油の流出を100%防げない以上、生活の場である環境を汚染されたくない先住民は、石油開発には反対である。しかしその反面、生活のために仕方なく、または経済的な権利を主張して開発を求める人々もいるという複雑な現実がある。

11 コールド・ラッシュ ─ 北極の資源争奪戦<翻訳>
北極での石油・天然ガスの採掘と計画について。

13 消えゆく風景
貴重になった動物と自然の姿を写真で紹介。

14 北極の歴史
人類がこの地域に住みだした数万年前から現代までの歴史を、簡単に振り返ってみよう。
 →この記事をオンラインリポートで読む

16 北極は誰のもの?<一部要約、一部オンラインリポートに掲載>
最近、北極をめぐる政治的な動きが増えている。その裏にはどんな事情があるのだろうか。
 
→この記事をオンラインリポートで読む


18 変わりゆく北極の我が家<要約>
気候変動によって徐々に故郷を追われる太平洋の島に住む人々。それと同じような災難が、北極に住む人々の身にも降りかかっている。気候が暖かくなり、氷が解け、彼らの暮らしはどう変わっているのか。そして彼らは、その困難をどうやって解決しようとしているのか。


【Special Feature】

21 自動車文化を超えて<要約>

自動車を使わない生活は可能なのか? オーストラリアに住むクリス・リチャーズが挑戦と失敗を繰り返して得た気づきと、その後とった行動について報告する。


25 世界のニュース<一部記事を要約>
不評なポプラ(ベルギー)/民主主義なのか…(イスラエル)/静かなる搾取(ウズベキスタン)/2国間の友好(西サハラ)/ほか

27 オンリー・プラネット(4コマ漫画)
新しい信仰と古い信仰の類似点。

28 NIジャンボクロスワードパズル

29 社会を揺さぶる人々
エジプトで最も有名で素晴らしい成果を上げてきた人権活動家が語る、この国の状況に対する懸念。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 ワールドビーターズ
被害総額130億ドル以上に上る巨額投資詐欺事件を起こした米ナスダック・ストック・マーケットの元会長、バーナード・マドフ。彼が使ったのは近代的な高度な手法ではなく、1920年代から知られるネズミ講のようなポンジ・スキームという手法だった。

33 モンテビデオで考える
この混乱した世界では、もう一度物事を問い直してみる必要があると、エドゥアルド・ガレアーノは言う。

34 エッセー:オバマの挑戦
これまでの米国がとってきたキューバへの政策は失敗だった。今後この2つの国には何が必要なのだろうか。


36 世界の国のプロフィール:カタール

NI日本版 No.112 目次

(本文は日本語です)

 


1 すでに起きている異変(NI p4-7の翻訳)


北極に異変が起こっている。アラスカの村を訪問したジェス・ワースが目にしたのは、容赦ない変化の波にほんろうされる人間と動物たちの姿だった。


 沿岸部に広がる白銀の平原に、ブルース・イングランガサックのベテランの視線が走る。彼の目はカリブー[訳注:北米のトナカイのこと]を探している。北極地域にもようやく春が訪れ、動物たちが山から下りてくるようになった。新しい季節の始まりを非常に喜ぶカクトビック村の人々の気持ちは、私にもよく理解できる。300人強の人々が住むこのイヌピアック民族[訳注1]の村の冬は長い。北極海に面したこの村は、3カ月間太陽が全く昇らないという日々が続き、気温がマイナス50度を下回ることも珍しくない。
 先週、ブルースは同じ村の2人の男たちと狩りに出かけ、今年初めての獲物であるカリブー12頭、魚90匹、ヘラジカ1頭を土産に村に戻った。貯蔵していた昨年の獲物を食べて長い冬をしのいできた村人たちにとって、新鮮な獲物は喜ばしいごちそうである。この新たな季節、太陽の光がさんさんと降り注ぎ、ブルックス山脈へ向かう途中のツンドラには、雪の下からとがった草が生え始めている。


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

7 コールド・ラッシュ ─ 北極の資源争奪戦(NI p11の翻訳)

北極には、世界の石油・天然ガスの埋蔵量のうち推定で25%が眠っている。

●2,400億バレル分[訳注:1バレル=約159リットル]の石油と天然ガスについては、現在採掘が進んでいる。
●北極地域には、さらに900億バレルの石油と1,669兆立法フィート[訳注:1立方フィート=約28.3リットル]の天然ガスが眠っている。(1)
●北極地域固有の地質層の並び方、火山活動、断層構造、氷河といったものが、亜鉛、銅、ニッケル、鉛、チタン、ウラン、ダイヤモンド、金などの貴重な鉱物・金属資源を作り出している。


・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

8 北極の気候(NI p8-9の翻訳)
地球の温度調節機能の重要な一部となっている北極。そこで起きている変化と、その変化が地球に及ぼす影響について、イラストと写真で解説する。



10 変わりゆく北極の我が家(NI p18-19の要約)

地球が温暖化する中で、世界で最も寒い場所に住む人々の生活はどうなっているのか。

 ケイティー・ウォルターは、気象科学の分野で最近注目の研究者だ。アラスカのフェアバンクス大学で、湖沼から排出されるメタンの研究を行っている。スワード半島における数週間の調査から戻ったばかりのケイティーは、大学のオフィスで北極の変化について説明してくれた。「海、氷河、地中でも、氷の融解が起こっています。永久凍土が解けるといくつもの穴ができ、そこに水がたまります。それらが徐々に小さな池ほどの大きさに拡大して周囲の凍土を『侵食』し、融解がさらに進みます。永久凍土の中の有機物はその底に沈み、微生物によって分解され、メタンが発生するのです」。メタンの温室効果は二酸化炭素の23倍である。また、永久凍土には大量の二酸化炭素が閉じこめられており、その融解は深刻な影響をもたらす。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

12 北極は誰のもの?(NI p16-17の要約)
最近、北極をめぐる政治的な動きが増えている。その裏にはどんな事情があるのだろうか。

13 アクション! ─ 何かする・もっと知る & 日本での動き
・日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。
・「北極のためにサハリン資源開発から学ぶこと」:石油・天然ガスの採掘によって影響を受けるロシア極東のサハリン(樺太)の環境・動物・先住民族。日本企業が深く関わり、エネルギー外交の現場でもあるこの極寒の地の資源開発は、北極の将来を考えるヒントとなる。

14 今月のフォーカス(NI p21-24の要約)
自動車文化を超えて
自動車を使わない生活は可能なのか? オーストラリアに住むクリス・リチャーズが挑戦と失敗を繰り返して得た気づきと、その後とった行動について報告する。

15 世界のニュース(NI p25-26からの要約)

・不評なポプラ(ベルギー)
・民主主義なのか…(イスラエル)
・静かなる搾取(ウズベキスタン)

16 編集後記、次号のお知らせ、ほか

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