2009年3月号

NI No.420 & NIジャパン No.108

命を落とす母親たち─開発途上国のお産の現実
Mothers who die

シエラレオネに住む50歳のマビンティ・コンテと18カ月になる孫のイサトゥー。マビンティが手にしているのは、20歳でイサトゥーを出産し、その時に亡くなった娘の写真である。シエラレオネでは、女性が生涯のうちに妊娠・出産で死亡するリスクが8回に1回の割合と非常に高い。世界でも最もリスクが低いアイルランドの場合、これは4万7,600回に1回となる。

北の先進国と南の開発途上国の間にはさまざまな格差が横たわっているが、中でも最も大きな差が現れているのがこの妊産婦死亡率である。1990年に定められ、2015年を目標達成年としているミレニアム開発目標(MDGs)にも妊産婦死亡率の削減は定められている。しかし、これまでの世界の取り組みと成果は全く不十分なものである。

今月のNIでは、女性たちの命を救う方法を誰もが知っているにもかかわらず、誰も何もせずにいたずらに時間だけが過ぎていく現状にメスを入れる。


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● NI No.420 目次 ●


(本文は英語です)


*<>の表示がある記事は、日本版に全訳もしくは要約記事を掲載しています。


2 読者の声

4 悲しみに暮れる出産の現場<NIJに全訳>
特に南の開発途上国では、北の先進国に比べると多くの女性たちが妊娠・出産で命を落としている。それを表す指標である妊産婦死亡率は、ミレニアム開発目標(MDGs)の中でも最も意欲的な削減目標が掲げられている。しかし、その削減ペースは他のいかなる目標よりも遅いものだ。はたしてそこにはどんな理由があるのだろうか? どうしたら削減のペースを早めることができるのだろうか?

8 妊産婦死亡率 ─ その事実<NIJに全訳>
女性が生涯の間に妊娠・出産で死亡するリスク、妊産婦死亡数/死亡率、妊産婦死亡数の多い国とその原因、その他統計データと図表でこの問題を浮き彫りにする。

10 失われた命の物語、カマールの物語<NIJに要約>

世界で2番目に妊産婦死亡率が高いアフガニスタン。そこには、犠牲になった多くの女性たちと同じ数だけ心痛む話がある。女性たちの物語を、妹、夫、そして韓国の写真家ジーン・チャンの写真で紡ぎだす。

13 犠牲となった女性たちに捧ぐ<NIJに全訳>
妊娠、出産で死亡した女性たちのコラージュ。

14 魔術という迷信を越えて<NIJに要約>
極端な長時間の難産が原因の産科ろうこう(フィスチュラ)。社会から疎外される原因になってしまうこの病気は、自分の排尿・排便を自分でコントロールできなくなってしまうという病気である。マラウイの状況を例に、この病気の問題を保健医療と社会的な視点から見てみよう。

16 マーガレット・アトウッドの詩より
誕生が希望につながらないということについて。


【Special Feature】

17 チベット:50年におよぶ亡命の国<NIJに要約>
ダライ・ラマがインドに亡命してから50年。チベットと亡命チベット人たちはどこへ向かっているのか。

22 有刺鉄線の向こう側

キューバのグアンタナモ米軍基地にある収容所。そこでの日常とはどんなものだったのか。実際に警備員として働いていた19歳の米国人の若者と40歳のインド系英国人の収容者が、対面してそれぞれの体験を語る。


25 世界のニュース<NIJに一部要約>
ポルトガルのある市長の挑戦(再生可能エネルギー)/ガザの殺りくに抗議するユダヤ人たち(中東)/ウガンダのLGBT団体の法的勝利(セクシャルマイノリティー)/ほか

27 オンリー・プラネット(4コマ漫画)

28 NI ジャンボ・プライズ・クロスワード
PLUS:ゲストの風刺漫画家ハリル・ベンディブが銀行救済の実態を描く。

29 社会を揺さぶる人々
空きビルを占拠してホームレスの人々に開放し、彼らの人間としての尊厳を回復するブラジルの活動家へのインタビュー。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ
ガスを求めて行列をする人々。セネガルのダカールの風景。

33 ニューデリーで考える
本・映画・音楽の紹介

34 エッセー:カンボジアが歴史を見つめる時

36 世界の国のプロフィール:マレーシア

NI日本版 No.108 目次

(本文は日本語です)

 


1 KEYNOTE:悲しみに暮れる出産の現場(NI p4-7の翻訳)


出産時に死亡する母親の数は、今も10年前も変わっていない。遅々として改善の見られないこの残酷な現実について、クリス・ブレイザーが報告する。

 土間のマットの上に横たわるハビブ。陣痛は段々と強く間隔も短くなり、突き抜けるような痛みが走る。だが3児の母であるハビブは、この苦しみの後に訪れる時を思い起こしている。それは、平和な気持ちと満たされたこの上ない喜びとともに、赤ちゃんを腕に抱ける瞬間である。
 ハビブの義理の母が出産の手伝いに来ていた。彼女自身何度も出産の経験があり、それ以上に多くの出産を手伝ってきた。そばにある大きな2つのボウルには水が用意されている。ひとつは赤ちゃんの体を洗うもので、もうひとつはその他の人々が使う。血液などを吸い取るために使われる古布は、何カ月も前から集められたものだ。月明かりしかない西アフリカの夜を照らすため、近所の家から灯油ランプを借りてある。
 分娩の経過は順調のようだ。ママという少女が、そろそろ赤ちゃんの第一声が聞こえるはずだとつぶやく。そしてハビブが背中を反らせた。長い痛みのトンネルから抜け出した彼女は、憔悴感と多少のつらさが残る中、この世に新しい生命が誕生した喜びをかみしめた。
 ママは、ハビブの出血が止らないことにしばらく気づかなかった。床とマットの真っ赤な染みが大きくなっていく。彼女は布きれを使って出血を止めようと試みた。だがどうにもならない。通常は出産から間もなく出てくるはずの胎盤も出てくる気配がない。ママはその差し迫った状況の中、さらに数分間期待を持って様子を見ていた。しかし出血は止らない。ただごとではないことに気づいた彼女は急いで息子を呼び、12キロ離れた村の診療所に行って看護師を連れてくるようにと自転車で送り出した。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

7 カマールの物語(NI p10の翻訳)
世界で2番目に妊産婦死亡率が高いアフガニスタンから、出産後にカマールを襲った悲劇を韓国の写真家ジーン・チャンの写真で描く。


8 妊産婦死亡率 ─ その事実(NI p8-9の翻訳)
女性が生涯の間に妊娠・出産で死亡するリスク、妊産婦死亡数/死亡率、妊産婦死亡数の多い国とその原因、その他統計データと図表でこの問題を浮き彫りにする。


10 失われた命の物語(NI p10、12の要約)

 私には2つ違いの姉がいました。7年前に結婚し、母と助産師の介助によって3人の子どもを自宅で出産しました。その3回の出産では特に問題はありませんでした。
 4人目の出産の時にも同じ助産師が自宅で介助し、母子ともに元気だと言って部屋から出てきました。しかし翌晩、姉と赤ちゃんが熱を出しました。容態はひどく、しばらくすると2人とも震え始めました。姉の夫は、2時間かかる町の病院に連れていく車を借りに飛び出していきました。母は再び助産師を呼びましたが、彼女も何もできないまま赤ちゃんは私の腕の中で冷たく硬くなっていきました。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

11 犠牲となった女性たちに捧ぐ(NI p13の翻訳)
妊娠、出産で死亡した女性たちのコラージュ。


11 魔術という迷信を越えて(NI p14-15の要約)

 マラウイに住む21歳のステラ・カウェラマは、1年前から排尿と排便を自らの意思でコントロールできなくなった。それは、産科ろうこう(フィスチュラ)と呼ばれる病気のためである。何日もの難産が原因で膣の組織が壊死して穴があき、ぼうこうや直腸とつながってしまい、そこから尿や便が漏れるようになってしまう病気である。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

12 アクション! ─ 何かする・もっと知る
日本の団体と参考ウェブサイト、本、資料などの情報。

13 日本人の動き
安心して安全に産めるような環境を整えるにはどうしたらいいのか。いろいろな場所で、多様な考え方に基づき、課題を乗り越えようと活動する、さまざまな個人・団体の話を聞いてみよう。
今月のインタビュー団体
NPO法人 シェア=国際保健協力市民の会
財団法人 ジョイセフ(家族計画国際協力財団)
NPO法人 円ブリオ基金センター


14 今月のフォーカス(NI p17-21の要約)
チベット:50年におよぶ亡命の国
ダライ・ラマがインドに亡命してから50年。チベットと亡命チベット人たちはどこへ向かっているのか。


15 世界のニュース(NI p25、27、29からの要約)
・ポルトガルのある市長の挑戦(再生可能エネルギー)
・ガザの殺りくに抗議するユダヤ人たち(中東)
・空きビルを占拠して尊厳を回復(ブラジル)

16 編集後記、次号のお知らせ、ほか

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