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2 イントロダクション ─ 「がんばれ」と言う前に
3 食料危機を取り巻く事情(NI p4-6の翻訳)
世界経済が混乱に陥っている中、グローバルな規模で食料危機が広がっている。その問題と今後の見通しについて、リチャード・スウィフトが探る。
2008年はまったくなんという年だ。石油価格が倍に跳ね上がったと思ったら、次には食料危機がやってきて、そして今度は未曾有の金融危機だ。「次は何だ?」と誰もが考えずにはいられない状況だ。基本的な食料の値上がりは今年初めから続いているが、欧米メディアはその状況を、不幸だが遠く離れた国々での悲劇として伝えた。先進工業国では、スーパーに並ぶ食料がわずかに値上がりしたことに目くじら立てる人はそれほど多くはなかった。しかし、南の開発途上国で1日2ドル以下で生活する人々(世界人口の3分の1にあたる)にすれば、値上がりは大惨事である。データはさまざまだが、国連食糧農業機関(FAO)やその他ほとんどのデータには、基本的な食料(米、穀物、トウモロコシ)の値上がりが続けば、新たに1億人が生命の危険が伴う栄養失調状態に陥るとの予測が示されている。これは、すでにそうした状態にある9億人に加えて新たに発生する人数であり、生きていくための十分な食料を得られない人々が合計で10億人に達することを示唆するものだ。どのくらいの人々が実際に死亡しているのか、または死にひんしているのかは、誰も正確には分からない。
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7 安全、安心、持続可能な食料供給への指針(NI p5-6の翻訳)
オルタナティブな食の未来をつくるためのガイドライン。
10 飢餓で稼ぐ連中(NI p7-9の翻訳)
いつの時代にも、人間の不幸につけ込んでカネもうけをする輩(やから)がいる。キャンペーンなどで働きかけを行うグループGRAINが、世界食料危機で暗躍する企業の実態を明らかにする。
現在、世界の食料危機によって、社会・経済的に最も立場の弱い多数の人々が、瀬戸際の状況に追い込まれている。最近ではエチオピアのニュースが記憶に新しいが、悪化する飢餓の勢いがあらわになったのは、今年初めにハイチから届いたニュースだった。米など、主食となる基本的な食料の高騰は、ハイチの人々を自暴自棄な行動に走らせた。中には、泥に食用油と砂糖を混ぜたクッキーのような物まで食べて飢えをしのぐ人々も現れた。また、抗議行動を起こした人もいた。食料価格がピークに達した今年初めごろには、食料暴動が国中に広がった。この状況には国際社会も注目し、結局首相が辞任にまで追い込まれた。しかし、それでもハイチ政府は、政策の修正はほとんど行わなかった。そして数カ月後、暴動が再び発生したのである。
多くの国々と同様に、ハイチは構造調整プログラム[訳注]を押しつけられた国で、このプログラムによって、富裕国からの補助金まみれの低価格の輸入品に市場を開放することになったのである。1980年代初めには、ハイチは主食である米を自給していた。しかし、海外からの融資(特に国際通貨基金(IMF)の1994年の融資パッケージ)の条件として市場開放を強いられてそれをのんだ結果、米国政府の補助金で安くなった米国産の米が流れ込み、ハイチ国内の米生産は事実上崩壊した。今日ハイチでは、米の価格は2007年に比べて50%値上がりしており、平均的なハイチ人は主食に手が届かなくなってしまった。 |
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20 食料危機 ─ その事実(NI p16-17の翻訳)
食料価格高騰の仕組みと、誰がどのくらいの利益をそこから得て、飢えた人々がどんな危機に直面しているのかをデータで読み解く。
27 フュージョンという考え方(NI p21-22の翻訳)
飢えた人々に手を差し伸べられず、環境には大きな負担となる工業化した農業。それは、決して良い農業の形とは言えない。持続可能で公正な食料供給の仕組みを回復するためには、異なるいくつかのやり方を組み合わせ、それをうまく活用できるように調整を図っていく必要があると、ウェイン・ロバーツは語る。
私は、世界のパワー不足という問題の正しい解決策は、融合なのかもしれないと考えるようになった。いや、それは、発電における核融合(fusion)技術のことではない。私が言っている融合(フュージョン:fusion)とは、食料におけるフュージョンである。例えばフュージョン料理(多国籍料理)を思い浮かべてほしい。それは、幅広い食材の新たな融合を提案し、姿を現しつつあるこれからの新しい食料供給システムに携わる人々の可能性を示唆するものである。
高級レストランのシェフは、多様な国や多様な文化的背景を持つ食材を奇抜なスタイルで高級料理として提供することが、あたかもフュージョン料理であるかのように混同(confusion)している。食文化の歴史をひもとけば、フュージョン料理は文化的な創造物であるだけでなく共有物でもある。船員、海外移住労働者、奴隷労働者などとして、異なる国や異なる文化を持つ民衆が出会う時に生まれてきたものなのだ。例えば、カリブ海沿岸諸国で生まれたクレオール料理。これは、アフリカから奴隷として連れてこられた人々の料理と、その地域の先住民族の料理が1500年代に融合してできたもので、高級レストランの料理とはだいぶ背景が異なるが、これもフュージョンである。
今日の世界では、個人、政治、食物の変化にもフュージョン的特徴が現れている。世界が米国と旧ソビエト連邦によって二極化していた冷戦時代、私たちはそのどちらかに属することを強いられたが、その体制は崩壊し、ここにもフュージョン的な動きが見えてくる。
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【日本発のリポート】
33 食糧主権 ─ 日本と世界の食を救う道 真嶋良孝(農民運動全国連合会)
BSEの牛肉から汚染米、使用禁止農薬が検出された野菜から産地偽装まで、これらは単なる食品の安全管理の問題ではない。それは、食糧と貿易に関する日本の政策と世界の貿易構造の問題である。農業の本質を忘れた政策と構造は、日本の食と農をむしばんでおり、さまざまな点で私たちの食物の未来には暗雲が立ちこめている。ここでは、その現状を振り返り、その対処法として注目されている食糧主権について考えてみる。
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44 もっと知るためのネタ帳
食料危機に関して幅広く知る、そして何かするための活動団体、参考ウェブサイト、映画祭、書籍の情報。
46 ブックレビュー:『「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活』 (鈴木猛夫 著)
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