2008年6月号

NI412 & NIJ100

核兵器廃絶へ ─ 日本と世界はどう動いているのか
Dropping the Bomb - How to ban nukes and save the planet

  いまや、冷戦時代のような核兵器の恐怖は過去のものとなったのだろうか? いや、核兵器のリスクは新たな段階を迎え、核保有国はその近代化を図り、核兵器拡散のリスクも高まっている。しかしその一方で、核兵器削減のまたとないチャンスも訪れている。

冷戦が幕を閉じ、核戦争による人類絶滅というがけっぷちの状況は遠ざかり、核兵器の保有数も半減したが、状況は新たな段階を迎えた。原子力エネルギー技術の拡散と共に、国内に貧困がはびこる貧しい国々が核武装することへの懸念が高まっているのだ。さらにその一方で、米国、ロシア、英国、中国、フランスは、莫大な費用をつぎ込んで核兵器の「近代化」に取り組んでいる。

しかしそんな中、政治、経済、そして環境の面でも、核軍縮への包囲網が徐々に狭まり始めている。特に、地球環境を脅かす温暖化対策と結びつけて解決策を探るような環境運動と反核運動の協働が、今後の鍵となっていくだろう。

 

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● NI No.412 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 環境問題という核廃絶の突破口<NIJ>
貧しい国々の核武装や原子力エネルギー技術の拡散、「闇の核市場」やテロリストの可能性など、核兵器をめぐる状況は新たな段階を迎えた。そしてまた、地球温暖化という待ったなしの問題の対策として、「クリーン」なエネルギーという触れ込みで原子力産業の売り込みが激しい。しかしこのような状況の中、政治・経済的にも核兵器廃絶へのチャンスが訪れ、温暖化から地球を救う方策とも結びついて大きなうねりとなっていく可能性がある。

8 核兵器 ─ その事実<NIJ>
核兵器の仕組みから核実験とその回数の推移、核保有国から非核地帯まで、データとイラストで核兵器の基本を紹介する。

10 核兵器保有国パキスタンのジレンマ

1998年5月11日と13日、インドは2度の核実験を行った。インドの敵対的な言動に触発されたパキスタンは、そのすぐ後の5月28日に核実験を行った。こうして南インドで核兵器保有国が誕生し、一時は南インドでの核戦争の危機も高まった。しかし今日では、イスラム過激派やテロリスト集団が核爆弾を支配下に治めたり関連物資や技術を盗み出したりする脅威の方がより現実味のある深刻な問題となっている。本来は国防に役立てるための核保有だ。しかし、それによって最もリスクを負っているのがパキスタンである。このパラドックスについて検証する。

12 人類絶滅へ危機一髪<メルマガで一部配信>
人は誰しもミスを犯す。しかし、人類を危機に陥れる犯してはならないミスというものもある。ここに紹介するのは、実際に起こった信じられないような核兵器にからむミスである。

13 トライデント廃絶への道
潜水艦発射型の核ミサイル「トライデント」。英国政府は、古くなったそのシステムを莫大な費用をかけて更新しようともくろんでいる。その潜水艦が母港とするスコットランドのファスレーンの港では、核廃絶を目指す市民が抵抗運動を繰り広げ、半年間の潜水艦基地封鎖に成功した。そしてまた、スコットランドの議会でも反核を掲げる党が勝利し、核廃絶への可能性がかつてないほど高まっている。

14 現代の核の脅威
いまだに冷戦時代の古い核戦争のイメージを頭に描き続けて核軍縮に異を唱える政治家たち。しかし、現代の核戦争のリスクは、そんな古い政治家のイメージとは異なる部分にある。

16 核兵器の歴史<NIJ>
マンハッタン計画から広島・長崎、原水爆実験の時代から核抑止力で相互確証破壊(MAD)に陥った冷戦時代、そして市民の反核運動など、核兵器をめぐるこれまでの動きを振り返る。

19 核廃絶を目指して<オンラインリポートに掲載>
世界の反核運動の情報。

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【Special Feature】

22 大もうけ! ようこそギャンブルの世界へ
ギャンブルをやめられない依存症と、資本主義における投機的衝動の類似性をひもとく。



25 世界のニュース
国旗の柄はすべて違法(西パプア)/ミネラルウォーターに見るスターバックスとペプシの偽善(米国)/工場労働者のストライキ(ベトナム)/危険なナノテクノロジーが食品に(米国)/ほか

28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)
乗り物は変われど人は変わらず。

29 社会を揺さぶる人々

2005年タイム誌で、米国で最も影響力のある福音主義者25人のひとりに選ばれたブライアン・マクラーレン。彼はこれまで、社会正義と世界的な正義にこだわって執筆、講演活動を行ってきた。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ
Qudsの日のテヘラン(イラン)の路上で撮った、アクロバットのパフォーマンス。

33 ニューデリーで考える
貧しい人でも拒まず、政治思想の違いによって分け隔てることもなく、いかなる人でも診察することをモットーとしてきたインドのBinayak Sen医師。彼は、共産主義者とのつながりを疑われて警察に逮捕されてしまった。だが、この不当逮捕には多くの人々が異を唱えている。なぜ政府は、このような個人を恐れるのだろうか? また、個人を排除しても世論を沈黙させることはできないことがなぜ分からないのだろうか?

34 エッセー:地球温暖化と古いパブ
地球温暖化を考えるときに忘れがちな視点を考える。

36 世界の国のプロフィール:ウズベキスタン<NIJ>

● NIジャパン No.100 目次 ●

(本文は日本語です)

 


A5判・モノクロ・80ページ
定価(本体800円+税)
100号記念号特別価格
ISBN978-4-8113-0238-6


2 イントロダクション ─ 過去の「もしも」と未来の「もしも」


4 環境問題という核廃絶の突破口(NI p4〜7の翻訳)


世界が再び核兵器に関心を寄せている。それはまったく新たな展開を見せており、不安を感じるものだ。しかし、核軍縮活動家たちはなぜか楽観的に構えている。ジェス・ワースがその理由を探り、今訪れている核軍縮のチャンスについて報告する。

 「原爆が広島に投下された時、私は爆心地から1キロのところにいました。当時私は14歳でしたが、今ではもう77歳になりました。77は日本では縁起の良い数字です」
 復活祭(イースター)の次の月曜日、私は英国特有の霧雨の中、オルダーマストン原子兵器研究所の外で佐藤良生の体験を聞いていた。「私の母と妹は原爆投下から数カ月後に亡くなりました」と彼は聴衆に語った。「私と弟は生き延びることができました。しかし私たちはたくさんの病気にかかりました。原爆投下から26年後、がんにかかり胃を半分切除する手術を受けました。私の弟は肝臓がんで亡くなりました。現在家族の中で生き残っているのは私だけです」
 今日ここでは、ロンドン─オルダーマストン間で初めて抗議のための平和行進が行われてから50年を祝う行事が開かれており、およそ5,000人が集まっていた。その1958年の平和行進は、平和運動の歴史の中でも重要な出来事のひとつであった。ちょうどそのころにCND(核軍縮運動)という団体が結成され、象徴的なピースマークが誕生した。やがてその平和行進は毎年行われるようになり、1960年代の最盛期には数十万人が集った。
 しかし今日のイベントは、単なる象徴的な記念行事ではない。私たちがここに集まっているのは、今起っていることに対する抗議のためである。次世代の核兵器の研究・製造・実験を行うため、英国政府はオルダーマストンの増改築に110億ドルをつぎ込んでいる。その次世代の核兵器には、実際に戦場で使用することを意図した「小型核兵器」も含まれている。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

17 核兵器─その事実(NI p8〜9の翻訳)

25 核兵器の歴史(NI p16〜18の翻訳)

マンハッタン計画

 1930年代の科学の飛躍的な進歩によって問題点が克服され、原爆製造が可能となった。ヒトラーが進めていた原爆開発計画を恐れ、ヒトラーよりも先に原爆を完成させるために、世界中からトップクラスの物理学者が秘密の「マンハッタン計画」に加わった。この計画に対しては、米国が膨大な資金を拠出した。ドイツが降伏した1945年5月の時点では、実際に使える原爆は完成していなかった。この時多くの科学者たちは、自分たちの研究を平和利用の目的に変更するよう働きかけた。しかし米国のハリー・トルーマン大統領は、旧ソビエト連邦共和国(ソ連)よりも原爆を先に持つことの優位性を認識しており、7月に実験を行うよう命令を下した。その核実験では、人類がこれまで見たこともないような強烈な爆発が生み出された。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください


【日本発のリポート】

38 日本にとっての核軍縮─「反・反核国家」の背景 河辺一郎(愛知大学)
 日本政府は、核廃絶は日本の国是等の言葉を繰り返し表明してきた。しかし日本政府が真摯に核軍縮に取り組んだことはない。それどころか、具体的な核軍縮に向けた努力に対しては否定的な姿勢を示すことも多く、特に核兵器の違法性を問うような動きには敏感で素早く反発する。ところが、このような発言と行動の間の矛盾は十分には認識されてこなかった。
 そこでここでは、日本の政治状況を振り返り、歴史的な流れをふまえながら問題を整理する。
 →このリポートを読む

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【NIジャパン 100 号記念特集】


53 ノーモア! ヒロシマ、ナガサキ。そして未来へ
アンケートとデータで見る日本の反核グループの動向と希望
 市民団体が抱く問題意識と目標、そして未来に向かうための活動について。
            +団体&映画情報

68 「9条世界会議」開催!
各方面から予想以上の反響を呼んで大成功に終わった9条世界会議。人々はどんな思いで集い、参加していたのだろうか。

72 被爆国=日本からの発信 No! 原水爆を知る・学ぶ、子どもの本
人目に訴えるイメージというだけでなく、平易に分かりやすい内容で核兵器とその被害について伝える絵本を厳選して紹介。大人にも訴えかける力を持つ作品である。  +書籍情報

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76 世界の国のプロフィール:ウズベキスタン(NI p36の翻訳)


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