2007年11月号


劣化ウラン兵器問題 ─ その真相を探る
DEPLETED URANIUM - The poisoned legacy

 

劣化ウラン(DU)の砲弾が戦車に当たると、装甲に穴を開けて高温で燃焼し、戦車は完全に破壊される。米国、英国、NATO(北大西洋条約機構)の軍が、致命的で効果の高いこの兵器を最近の戦闘で使用したのも不思議ではない。しかし、人間に対して害になるような影響はないのだろうか? このDUを使った兵器は、原子力エネルギー産業と核兵器産業から出たウラン廃棄物をリサイクルする形で作られており、それは非常に危険なサイクルの一部である。DUの在庫は100万トンを超えているだけでなく、不安定で容器を腐食させる性質を持つDUの管理も頭の痛い問題となっている。兵器として使用する場合には、DUはより安定した金属状に加工される。

この兵器に反対する人々は、DUの有毒物質と放射能(半減期は45億年)が人体に長期にわたって影響を与えることを当初から主張してきた。しかし当局側は、無害であると頑固に主張する。ウラン廃棄物を無料またはただ同然の価格で仕入れる兵器製造会社は、大もうけをしている。この武器を使用することによる健康と環境への影響について特定するため、幅広く偏りのない科学的な調査研究が必要とされている。しかしそのような提案も、さまざまな方面からの干渉に阻まれることが多い。今月のNIでは、否定と怠慢が真実を覆い隠しているこの問題を探る。

 

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● NI No.406 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 読者の声

4 戦争の有毒な置きみやげ <NIJ>
劣化ウラン兵器が人体に及ぼす放射能と重金属の毒性をめぐり、相変わらず激しいやりとりが続いている。実験や理論上でのリスクは徐々に明らかになり、疫学的データも蓄積されてきているが、劣化ウランを擁護する者たちはなかなかそれを認めようとはしない。現在劣化ウランに関して明らかになっている事実と現実、そして噴出しているうそと疑問の整理を試みる。

9 見ざる、聞かざる、言わざる、調べざる  <NIJ>

1991年と2003年の2度の戦争を経験し、いまだに戦闘が続くイラク。そのイラクの中でも劣化ウラン兵器が使用された地域では、通常の紛争地では見られないような病気とその異常な発生に悩まされている。停電が多く医薬品や機材も絶対的に不足している状況に置かれた病院で、先天性の異常を持って生まれてくる子どもたちや、がんやさまざまな臓器の病気の患者に対処するイラクの医師たち。圧倒的な現実としてのしかかる彼らの日常と、病気の原因を究明しようとする現地での取り組みを紹介する。


11 「兵士は使い捨てだった」
イラク戦争から帰還した米兵。彼は病んで帰国してからさまざまな症状に苦しんでいるだけでなく、陸軍のうそと不誠実な対応にも苦しめられている。彼らはイラクでどのような状況に置かれ、帰国後の米国ではどんな仕打ちを受けているのだろうか。

14 劣化ウラン ― その事実 <NIJ>

16 本当の犯罪者は誰か?
劣化ウラン弾を製造する米国のアライアント・テックシステムズ社(ATK)。そしてその前でさまざまな抗議行動を展開する市民グループ。ATKは警察を呼び、不法侵入者として彼らを逮捕させる。しかし1997年以来、逮捕された市民も4件の裁判で無罪となっている。国防総省に最も多くの弾薬を納めるATKに対して、市民はどのように抗議の意思を示してきたのか。

18 アクション<オンラインリポートに掲載中> 
ウラン兵器禁止を求める国際連合(ICBUW)とヨーロッ パ軍人組織連合(EUROMIL)の紹介など。


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18 市民が主導した劣化ウラン弾禁止法案<NIJ>
2007年3月22日、ベルギーは世界で初めて劣化ウラン弾の使用、製造、保管、輸送、売買を禁止した法案を可決した。この法案可決に至る動きは、実は市民団体が主導したものだった。中心的な役割を果たした2人の人物に、その舞台裏を聞いた。

19 劣化ウランと国際法<NIJ>
劣化ウランの使用を禁止する国際的な取り決めはまだない。しかしその使用は、既存の国際人権法が定める規則と明らかに矛盾している。具体的にその矛盾点を見てみよう。


【Special Feature】
20 罪悪感の源泉を探る
私たちは行動(二酸化炭素排出を増やす飛行機や車を使うなど)に対して罪悪感を持つが、行動しなかったこと(デモに参加しなかった、十分なリサイクルをしなかったなど)に対してもやはり罪悪感を持つ。その気持ちはどこからわいてくるのか? そして私たちは、そんな気持ちにどう対処していけばよいのか?


24 世界のニュース <NIJとメルマガで一部を掲載/配信>
米兵の兵役離脱を支援する(イラク)/独裁者のプロパガンダ(ジンバブエ)/コロンビアのFARCの現状(ゲリラ組織)/僧侶を支援する抗議活動(ビルマ)ほか

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27 社会を揺さぶる人々
保守的なイランの体制に揺さぶりをかけるジャーナリスト、マシー・アリネジャッドへのインタビュー。

28 ビッグバッドワールド(風刺漫画)<NIJ>
ジョージ・ブッシュの固い決意とは。

29 ワールド・ビーターズ
現在米国の大統領選レースのトップを走るのはヒラリー・クリントンである。女性大統領誕生の可能性が見えてきているのは喜ばしい話であるが、良い話はそれだけだ。このほかに聞こえてくる彼女に関する話は、悪いことばかりである。

30 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

32 南の国からの一コマ

ひるまずに抗議行動をする市民を取り締まるアルジェリアの機動隊員。

33 テルアビブで考える

パレスチナのマンデラと呼ばれることもあるマルワン・バルグーティ。パレスチナの安定とイスラエルとの和平への道に寄与できる可能性がある人物である。

34 エッセー:カブールの日常
あちこちに戦争の傷跡を残すカブールの中でみつけた日常の様子。

36 世界の国のプロフィール ― キューバ<NIJ>

 

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● NIジャパン No.94 目次 ●

(本文は日本語です)

 


1 イントロダクション ─ 黒に近い灰色の放射性重金属

2 戦争の有毒な置きみやげ (NI p4-8の翻訳)

劣化ウラン兵器は、人類の悲劇と痛烈な議論をもたらしてきた。既知の事実と同じくらい憂慮すべき未知の事実を、ディンヤル・ゴドレジが探る。

 劣化ウラン(Depleted Uranium:DU)は汚染をもたらす。その放射能や有毒物質の有害性は、数十億年にわたって続く。しかし、劣化ウランを取り巻くさまざまな事情や状況も、中途半端な事実、偽装、全くの無知によって汚染されているようである。劣化ウランに関する話を掘り下げていくと、この問題への理解を妨げる可能性のある憂うつで有害な話があふれ出す。公式な見解をめぐり、劣化ウランは特に有害なわけではないという見方と、それは大量虐殺兵器だという陰謀説的な見方の間で激論が繰り広げられており、それが真実を明らかにしようとする試みを妨げているように思える。
 原子力を利用して最初にエネルギーを取り出した時から、そして最初の核弾頭を組み立てた時から、ウランの廃棄物は業や熱核反応を利用する兵器産業から見れば、劣化ウランに利用価値はなく使い尽くされた廃棄物ということになるのだろう。しかしこの重金属には、このほかにも利用価値がある。
 劣化ウランの致死的な可能性は、兵器産業が50年前に発見した。米国が劣化ウラン弾の開発を始めたのが1959年ごろで、英国は1960年代初めに開発に着手した。(1) 劣化ウランは鉛の2倍あまりの密度がある廃棄物(従って安い)である。そして、装甲を貫通する弾丸として、それは「銀の弾丸(silver bullet)」[訳注:問題解決の特効薬、魔法の解決策の意]となることができたのである。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください


14 見ざる、聞かざる、言わざる、調べざる (NI p9-10の翻訳)

20 劣化ウラン ― その事実 (NI p14-15の翻訳)

26 市民が主導した劣化ウラン弾禁止法案 (NI p18-19からの翻訳)

2007年3月22日、ベルギーの議会は満場一致で2009年6月20から劣化ウラン弾を禁止する法案を可決した。これに投票したのは確かに政治家ではあるが、この日を迎えることができたのは、粘り強いボランティアの人々のおかげなのである。「ストップ劣化ウラン兵器ベルギー連合」のリア・ヴァージャウとウィレム・ファン・デン・パンハウゼンが、その道のりを語った。

リア:この活動は、米国の劣化ウラン反対活動家、ダマシオ・ロペスがベルギーを訪問した時にひらめきました。それは、活動家、労働組合員、科学者など、異なる方面からキャンペーンを行っている人々を、国際的な連合体として束ねるというアイデアです。グループとしての最初のミーティングは、2003年にベルラールで行いました。みんなお金がなかったので、ある個人の家に集まりました。劣化ウラン弾の全面禁止という最大の成果を目指すことはすぐに決まりました。このグループのメンバーは非常に献身的でした。たとえお金がなくても、目標に向けて熱意と理想主義でがんばろうと誓い合いました。

ウィレム:その年の終わり、ベルギー連合をつくるために、人権、平和、環境の分野で活動するベルギーのNGOのメンバーと再度ミーティングを行いました。私たちはNGOのリストを見て各団体に連絡をとり、ネットワークの立ち上げに興味があるかどうかを尋ねました。

リア:私たちが気づいたことは、グループの意見をきちんと考えてもらうには、多くの人々の意見を代弁するような存在になることが重要だということでした。特に選挙の時はそうです。そうなればより真剣に訴えを考えてもらえます。

ウィレム:最終的には、使命を同じくする70の団体が、私たちの活動に加わりました。その時はまだ個人に向けた呼びかけはしていませんでした。2004年に入り、フラマン人[訳注:オランダ語に近いフラマン語を話す人々で、ベルギーの人口の半分以上を占める]の政党の党首たちに手紙を送りました。その結果、6つの政党のうち5つの政党から前向きな返事をもらいました。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

29 劣化ウランと国際法 (NI p19からの翻訳)

30 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源

32 世界の国のプロフィール − キューバ (NI p36の翻訳)

36 世界のニュース (NI p24-28からの翻訳)
●独裁者のプロパガンダ(ジンバブエ)
●ビッグバッドワールド(風刺漫画)





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