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1 イントロダクション ― 被写体の気持ちと多面的な現実
2 今月のNIゲスト編集長より(NI p2からの翻訳)
3 途上国のフォトエージェンシーの苦悩と成長(NI p4-9の翻訳)
| インターネットとデジタル写真技術の登場により、現在は南の国の写真家でも容易に自らの現実を世界のメディアに向けて発信することができるようになった。しかし実際には、古くからの偏った見方はそう簡単には変わらない。一体そこにはどんな理由が横たわっているのだろうか。そして、この問題に対してどんな取り組みが行われ、いかなる結果がもたらされているのだろうか。ゲスト編集長として今号の制作をとりまとめたバングラデシュのフォトエージェンシー、ドリク(Dirk)の代表シャイダル・アラムが語る。
それはある開会式だったが、まるで英国の開発援助関係の紳士・淑女の集まりを見ているようだった。そこには、ミレニアム開発目標(MDGs)、貧困を過去のものにしようキャンペーンなど、崇高な動機を支持する人々が並んでいた。
はしゃぎすぎのボブ・ゲルドフ[訳注:アイルランドのミュージシャン。世界的なチャリティーコンサートやイベントを開き、開発援助に関する発言も世界的に注目を集める]は大目に見てもいいだろう。ゲルドフは開発援助団体のスタッフでもなければ特にその方面に詳しいわけでもないからだ。しかし、ロンドンのサウスバンク地区にあるオクソタワーで行われた「にぎやかなイベント」の主催者が、文化的配慮に欠けたイベントを企画したことは明らかだった。
アフリカからやって来たわずかな黒人の若者たちによる「開発」の美徳を称賛するパレードを除けば、そこにはマジョリティー・ワールド(世界の過半数が住む南の開発途上国)の参加はほとんど見られなかった。主な講演者は、相変わらず欧米の白人の開発援助関係者で、南の国々の貧しい人々を助けるために彼らが担ってきた役割について話した。そして、褐色の肌の人々が参加して果たした象徴的な役割は、すぐに忘れられてしまった。
この式典の目玉は、「世界を変える8つの方法(Eight Ways to Change the World)」と題された写真展である。ここで展示されている写真は、すべて欧米の白人が撮ったものだ。しかし、このような試みが何を意味するのか疑問の声を上げる者は皆無だった。私が主催者のひとりと激論を交わした時その人物は、学芸員(欧米のフォトエージェンシーの代表)が南の国々の写真家を起用しないという決定を下したのは、「彼らには写真を撮るための見識が備わっていない」という理由からである、と言った。それは、欧米の人々の洗練された視覚言語的能力は、恐らく南の写真家の能力を超えており、クリエイティブなレベルでの能力は言わずもがなだという考えである。 |
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14 パッシャラ写真学校がたどった成功まで道のり(NI p12の翻訳)
| シャイダル・アラムが語った、異色な写真学校誕生のいきさつ。 パッシャラ(Pathshala)とは古来からのサンスクリットの単語で、学びの座という意味があり、一般的には開かれたスペースにあるマンゴーの木の木陰を連想させるものだ。そこには壁はなく、教室もなく、型にはまった体系もなく、集まった子どもたちは賢人の話に耳を傾ける。そこは、知恵が受け継がれる場所なのである。
私たちは、イメージが持つ言語的側面を、西洋のヘゲモニー(覇権)に立ち向かうための、またバングラデシュ国内の社会の不平等に取り組むための道具であると結論付けた。そして、それを実現するため、ドリクは基本的な準備を始めた。
そのような取り組みに向け、ドリクはすでに人を対象にした活動も行っていたが、実現への手段について学ぶ場が必要であった。この地域には、写真を学べる信頼のおける高等教育機関が存在しなかったので、それを作られなければならなかったのだ。
1998年12月に開催されたワールド・プレス・フォトのセミナーの機会を利用し、この学校が設立された。当時利用できたのは教室がひとつだけだった。ゲスト講師のChris Boot(以前はマグナムに参加し、その後はフェイドンに移る)とReza Deghati(ナショナルジオグラフィック)がワークショップを行った。
その後、私は唯一の講師として学校を続けていたが、友人が薦めてくれた英国の写真家Kirsten Claire がすぐにやって来て1 年間手伝ってくれた。私たちは、彼女に地元レベルの給料を払うのが精一杯だった。当時は、彼女と私の2 人が常勤の講師であった。
私たちの無理矢理の頼みを快く聞き入れてくれた友人たちが、講師として入れ代わり立ち代わり来てくれた。その中には、飛行機代と質素な宿泊先をこちらが用意したこともあったが、自腹で来た人や、学校で寝泊まりしていた人もいた。また中にはIan Berry のように、仕事で来ていたのに私たちの誘いに乗って活動に巻き込まれてしまった人もいた。写真についてはほとんどが初心者の生徒たちは、目の前にいるのがどれほど有名な写真家たちなのかを分かっていなかった。確かにそれはすごい面々であった。Abbas、John Vink、Ian Berry、Martin Parr、Morten Krogvold、Pablo Bartholomew、Pedro Meyer、Raghu Rai、Reza Deghati、Robert Pledge、Trent Parke などが参加してくれて、何度も来てくれた人もいた。
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17 写真が変わった、そして世界も変わるだろう(NI p13の翻訳)
19 フォトエッセー: 現実に向き合う人々と日常と(NI p14-15の翻訳)
22 フォトエッセー:つらさを乗り越えて(NI p16-17の翻訳)
26 フォトエッセー:消えゆく暮らしと新たな渇望(NI p18-19の翻訳)
30 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源。
32 世界の国のプロフィール ― カンボジア(NI p36の翻訳)
36 世界のニュース(NI p25-28からの翻訳)
●無礼なもてなしをするイラン政府(人権)
●ビッグバッドワールド(風刺漫画)
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