2006年12月号

世界の汚職と南北問題
Corruption - can the rot be stopped?

 

熱心な英国の政治家、ゴードン・ブラウンは、「汚職を過去のものにする(根絶する)」と述べた。彼の言葉は、主にアフリカの指導者たちに向けられたものだが、果たして欧米の政治家や専門家は、腐敗を根絶するための適切な方法を実施しているのだろうか? 主に開発途上国の「貧弱なガバナンス(統治)能力」をやり玉に挙げる分析は、何かを忘れていないだろうか?

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● NI No.396 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 南北をつなぐ汚職の問題 <NIJ>
汚職と一口に言っても、そこにはさまざまな背景と理由があり、かかわる人間や規模にも大きな違いが見られる。ただし、ここにもやはり南北関係という大きな背景が横たわっている。

6 世界の大うそつきたち <NIJ>
世界の巨悪たちのやり方を、エド・ホールのイラストで見てみよう。

8 それでも汚職は見過ごせない
カナダ有数の文学賞を受賞した作家、MGバッサンジが、タンザニアでの自らの体験を振り返りながら汚職と社会、そして人間の在り方について考える。

10 兵器産業と先進国政府
開発途上国の政治家たちが手にする不正な金はどこから流れているのか? それは天から降ってくるものではなく、もちろん先進国企業からのわいろも含まれる。英国の兵器産業の例を、コメディアンで活動家のマーク・トーマスが語る。

12 汚職に立ち向かう人々  <NIJ>
世界各地でさまざまな不正行為に立ち向かい、人権と生活を守ろうと取り組む人たち。

14 虚飾をまとった世界銀行のプログラム
透明性の確保を叫ぶ世界銀行だが、その叫びに耳を傾ける必要があるのはどうやら自分たちのようだ。成功例として自己宣伝するインドのマラリア対策プログラムの実情がそれを物語っている。
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15 汚職を悪化させる世界銀行 <NIJ>
不作為の罪とはこういうことを言うのだろう。汚職根絶に本気で取り組むつもりがあるのなら、世界銀行はまず自らの不作為を正すことから始めなければならない。

16 世界の汚職 ―― その事実 <NIJ>

18 スキャンダル解明のいきさつ <NIJ>
ケニアの政権を揺さぶり解散に追い込んだ一大汚職事件を暴いたジョン・ギソンゴが、亡命先の英国でインタビューに応じた。

20 感情的な言葉の陰で 
国内の選挙であれ海外の援助機関へのアピールであれ、汚職撲滅や腐敗追放という方針やスローガンばかりに高い関心が寄せられるが、実際の取り組みや結果の検証が不十分なことが多い。そしてまた、「汚職撲滅」や「テロとの戦い」といった感情的な言葉の下で、通常ならば許されないような行為がまかり通ってしまうことにも気をつけなければならない。

21 アクション
汚職撲滅の十カ条と、汚職に立ち向かっている世界の団体の情報。

22 世界のニュース<NIJに一部掲載&メルマガで一部配信>
見境ない国境フェンスの建設(移民)/危険物シンボルのデザイン募集中(ナノテクノロジー)/保健大臣の辞任を求めるHIV・エイズ活動家たち(南アフリカ)/ほか
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25 ワールドビーターズ
独裁的権力を振りかざすアルメニアのロベルト・コチャリャン大統領の趣味は「戦争」である。しかしそんな大統領も、ヨーロッパとの友好関係を保てる程度の遠慮を見せている。

26 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

28 南の国からの一コマ
グアテマラ市の店の弾痕が残るひび割れたガラス。それが表すのは、青少年犯罪、犯罪組織、麻薬売買、貧困、家庭崩壊などによる暴力が渦巻くストリートの現実である。

29 ナイジェリアで考える
葬式のために帰郷した小さな村で感じた村社会の変化について。

30 エッセイ ―― 気候変動の値段
気候変動に懐疑的な人々は、今度はコストを盾にして異論を唱えている。

32 ビッグバッドワールド
夜空にきらめく流れ星を追ってみると……。

33 社会を揺さぶる人々
インドでは、精神障がいに関する話題はいまだにタブーとなっている。チェンナイで女性を対象にしたリハビリテーションと支援のための団体を運営するヴァンダナ・ゴーピクマールに話を聞いた。

34 読者の声

35 モーリシャスからの手紙
市民の気軽で重要なコミュニケーション媒体であった街角のポスターが、突然の景観論争を経て規制と広告ビジネスの対象へと変化してしまった。

36 世界の国のプロフィール ―― モザンビーク<NIJ>



 

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NIジャパン No.84 目次

(本文は日本語です)

 

 

 イントロダクション ― 「周囲の腐敗から手をつけなさい」

2 南北をつなぐ汚職の問題 (NI p2-5の翻訳)

 それはつらい光景だった。ジャーナリズムの教員をしている二人のネパール人は、日々落ち込んでいくように見えた。
 ある朝、私たちが泊まっているバングラデシュのダッカのゲストハウスで、朝食をとりながら彼らはようやく重い口を開いた。
 ここ3 カ月の間、彼らは役所に通い続けて労働許可の延長を求めてきたという。
 その手続きは長引くことがあると聞いていた彼らは、それを見越して十分な余裕をもって手続きを開始した。しかし現在、彼らの労働許可の有効期限はあと数日しか残っておらず、期限切れとなればその罰金はかなりの額になる。
 彼らの手続きの方法や書類に間違いはない。役所からは遅れている理由の説明はない。ただ何も進まず時間だけが過ぎていった。
 私は思いきって、もしかすると職員はこちらからのある申し出を待っているでは、と言った。
 案の定その通りで、それは彼らのバングラデシュ人の同僚も言っていたことだった。その同僚たちは、「手続きを早めるため」にどのくらいの金額を渡したらいいのかさえ教えてくれたという。その金額を聞いてみると、地元の人々の経済レベルからしてもさほど大きな額ではなかった。

<中略>

 世界の汚職には、恐らく最も重要なもう一方の当事者がいる。
 言うまでもなく国家のガバナンス(統治)は、泥棒、うそつき、詐欺師には任せられるものではない。ガバナンスが改善されれば、多くの開発途上国に恩恵をもたらすことになるだろう。しかしこのことは、何も貧しい国々に限った話ではない。
 「開発途上国の汚職に対して、北の国々の組織が与えている最も有害な影響が二つあります。一つは、北の国の企業によるわいろで、もう一つは、わいろや横領された国家資産が北の国の銀行によってマネーロンダリング(資金洗浄)されていることです」。英国のNGO「コーナー・ハウス」の汚職の専門家、スーザン・ホーレーは語る。(9)
 マネーロンダリングは、開発途上国への援助額をはるかに超える額だ。あるアナリストは、「私たちが気前よく堂々と渡す海外援助1ドルに対して、4〜8ドルの汚れた金がこっそりと分からないように北に戻ってくる」と語る。(10)
 ホーレーは、欧米の政府は共謀していると言う。「自分の国の役人がしていたら許さないようなことを、彼らは見て見ぬふりをしているのです」

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

10 世界の大うそつきたち (NI p6-7の翻訳)

16 汚職に立ち向かう人々 (NI p12-13の翻訳)

22 世界の汚職 ―― その事実 (NI p16-17の翻訳)

27 汚職を悪化させる世界銀行 (NI p15の翻訳)


28 スキャンダル解明のいきさつ (NI p18-19の翻訳)

 オックスフォード大学でひじ掛けいすに身を沈めたジョン・ギソンゴは、「インタビューには気をつけています」と口を開いた。
 それには訳がある。亡命したこのケニアの元反汚職の第一人者には、最近手ごわい敵が現れているからだ。
 暖かく控えめでもったいぶったところもない人物で、彼が恐ろしい監視組織にいたとは思えない。だが彼は、アフリカの汚職捜査の最前線で活躍してきた草分けの一人である。
 ムワイ・キバキ大統領は2002 年、汚職反対の方針を訴えて選挙で大勝利を収めた。彼は大胆な方針を採り、トランスペアレンシー・インターナショナルのケニア支部長を反汚職組織のトップに据え、ギソンゴもそこに加わった。
 ジャーナリストだったギソンゴが最初に反汚職の仕事について知ったのは、トランスペアレンシー・インターナショナルのケニア支部創設者の一人であった父親からである。
 そしてジョン・ギソンゴは、キバキ政権の名高い地位であまりにもすごい活躍をしてしまった。彼は、政府の中枢で行われていた2 億ドルの詐欺事件をついにつかんだのである。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

31 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本の情報源。

32 世界の国のプロフィール ― モザンビーク (NI p36の翻訳)

36 世界のニュース (NI p22-24からの翻訳)
・見境ない国境フェンスの建設(移民)
・危険物シンボルのデザイン募集中(ナノテクノロジー)

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