2006年10月号

ヨーロッパよ、どこへ行く
Europe! - Resisting corporate design

 

ブカレストからベルリンまで、ヨーロッパ中に不安が広がっている。多くの人々が、事態の「収拾がつかない」と感じている。平和で繁栄した戦後のヨーロッパという大きな望みもいまや危機的な状況だ。欧州憲法は見捨てられ、欧州議会選挙のためにわざわざ投票する人ももういない。EU(欧州連合)の官僚的な干渉から説明責任の欠如まで、多種多様な問題に対する多くの不満が噴出している。だが、その不満は誰にぶつければいいのだろうか

今月号では、ヨーロッパが抱える重要な問題について考えてみたい。民主的なEUは可能なのか? EU加盟国に必要な条件とは? EUがヨーロッパ諸国にもたらす恩恵とは? ヨーロッパ社会の恩恵をいかにして擁護していくのか? 英国は本当にヨーロッパの一部なのか、それとも単なる米国のトロイの木馬なのか? 徐々に勢いを増す新しい抵抗の動きを探りながら、旧来の抵抗派の国家主義や単純な外国嫌いといった考えとは違うもの、つまり、民主主義と社会的内包(social inclusion)を基礎としない限りヨーロッパは生き残れない、という考え方を検証していく。

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● NI No.394 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 ヨーロッパの未来を握るのは誰か<NIJ>
企業支配が進む欧州連合を、リチャード・スウィフトが詳細に調べる。

4 私たちのヨーロッパ
社会制度や経済運営に関しては、徐々に新自由主義の米国との共通点も増えてきているヨーロッパ。だが、社会的背景や生活観も違うヨーロッパは、今後もより一層米国に近づいていくのだろうか。スーザン・ジョージの分析。

6 ヨーロッパvs米国<NIJ>
数字が表す対照的な二つの社会の違い。

7 スウェーデン・モデルを守れ<NIJ>
スウェーデン人は今まで自分たちのやり方でやってきた。欧州連合に加盟後、いくらか譲歩を強いられたが、やはり高負担・高福祉の社会モデルはいまだに健在である。しかしそれは、今後も保証されるのだろうか。

9 バルセロナか、それとも地獄か<NIJ>
母国の悲惨な状況に押し出され、ヨーロッパの文化・経済状況に引き寄せられる移民たち。欧州連合は、彼らにどう対応したらよいのだろうか。

11 EUは開発途上国に優しいの?
政府開発援助の質・量ともに定評のあるヨーロッパ諸国。しかし、開発途上国への姿勢はそれだけでは評価できない。
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12 ヨーロッパの問題 ― その事実<NIJ>

14 フランス人が守った雇用の権利
昨年、若者の「柔軟な」雇用対策である初期雇用契約(CPE)の発表を発端に抗議行動が起きた。そのような新自由主義の侵略に「non」を突きつけ、CPE撤回に至ったフランス独自のやり方を検証する。

16 EU拡大にたれ込める暗雲
2007年1月からのEU加盟が決定したルーマニアとブルガリア。それを見越した企業はすでに手を打ち、EUで禁じられている遺伝子組み換え作物の普及を両国で図っている。

18 社会主義的なものと新自由主義的なもの<NIJ>
欧州連合に混在する二種類の異なるビジョン。

20 ヨーロッパの次の一手<NIJ>
現在のEUに不満を持つ新たな反対派が、ヨーロッパ全体で協力関係を結び始めている。しかしそれは、旧来の反対派である外国人排斥やナショナリズムを掲げていた右派とは全く異なる人々で、全く異なる目的を掲げている。

22 世界のニュース<NIJとメールマガジンに一部掲載>
狙われる学校(アフガニスタン)/不正投票への抗議(メキシコ)/パピアメント語の行方(言語の絶滅)/むごたらしい写真の影響(レバノン)/ほか

25 ワールドビーターズ
冷戦時代にはブッシュ元大統領にソビエト専門家として概要説明を行い、今ではブッシュ現大統領の最も重要な闘うパートナーであるコンドリーザ・ライス国務長官。2008年の大統領選に共和党から立候補するといううわさが絶えないが、問題も抱えている。

26 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

28 南の国からの一コマ
バングラデシュで宗教と思想を歌い上げるバウル派のコンサートから。

29 デリーで考える
「真の優秀さ」を測る公平な環境が整っていないインドの現状について。

30 エッセイ ―― チャパレ地方のコカと社会
コカ生産者のリーダーとして草の根レベルで政治活動に取り組み、現在はボリビアのトップの座に就いたエボ・モラレス大統領。彼の政治手腕をはぐくんだコミュニティーのフォトエッセイ。

32 ビッグバッドワールド
シンクロする悪者たちのお祈り。

33 社会を揺さぶる人々
コロンビアで人権擁護の活動をすることは死の危険が伴う。しかしそんなことも顧みず、Hernando Hernandez Tapascoは活動を続ける。

34 読者の声

35 モーリシャスからの手紙

36 世界の国のプロフィール ― ウガンダ<NIJ>


 

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NIジャパン No.82目次

(本文は日本語です)

 

 イントロダクション ― 老舗のこだわり

2 ヨーロッパの未来を握るのは誰か (NI p2-3の翻訳)

 ニコールはブリュッセル生まれだが、最近は自分の生まれ故郷に二つの異なる町が同居しているように感じている。「こんな高級レストランで食事ができるのは、EU(欧州連合)[訳注2]に勤める人たちだけよ」と回りの高級レストランを見渡しながら言う。少々大げさな言い方かもしれないが、彼女の意見には多くの人々がうなずくだろう。彼女は軍人の家庭に育ち、父親は給料の低い下士官だった。彼女と家族は、現在は「クオーター」と呼ばれている4 平方キロメートルほどの地区に住んでいた。そこは今ではヨーロッパで最も地価の高い場所の一つであり、1980 年代頃からは、EUをつくり上げていくための中心地と考えられてきた場所だ。ニコールは、家族と共に立ち退きにあった時を思い出す。当時、「金もうけ」のチャンスに気付いた抜け目ない大家たちは、家賃を値上げしたりもうかる再開発のために家を取り壊したりして、住んでいた人々を追い出したのだった。
 このような、EU、ブリュッセル、そして住む場所を無理やり奪われた旧レオポルド地区の住人たちの間に見られる関係は、EU 全体に及ぶ過ち、つまり、立派な国際主義的な構想が、どん欲な政治家や卑しい企業の食い物にされているという状況をほうふつとさせる。EU では、創設当時から民主的な協議は最低限しか行われず、トップダウンで物事が進んでいた。たくさんの有益な物事を達成してきたEU だが、その一方では、生まれもった専制的なやり方や、EU を利用してもっと強大になろうともくろむ金と権力の所有者たちに悩まされている。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

6 スウェーデン・モデルを守れ (NI p7-8の翻訳)

11 バルセロナか、それとも地獄か (NI p9-10の翻訳)

 飛行機に乗ってセネガルへ行ってみれば、そこは熱帯のパラダイスのように感じられるだろう。この西アフリカの国の第一印象は、深い青緑色の海の広がりと300キロメートルにも及ぶゴールデンホワイトの美しい砂浜、そして深緑の森林である。そんな楽園のような所から脱出したいと思う人間がいるのだろうか? しかし、今年の4月から6月にかけて、1万2,000人の若者たちがまさにそのような決断を下した。セネガルや隣国のモーリタニア、またはモロッコから、カナリー諸島[訳注]へ向けて不法な旅に出た。彼らが乗り込んだのは、エアコンの効いたジェット機でもなければ快適な大西洋縦断フェリーでもなかった。それは古い漁船で、信頼できる航海機器も装備されていないものだった。
 2005年12月にはぞっとする事件が起きた。ある仲介者が60人の男たち(ほとんどがセネガル人)に近づいていき、一人当たり1,500ドルでカナリー諸島まで連れて行くという話を持ちかけた。彼らは料金を支払い、全長8メートルのヨットに乗せられた。しかしこのヨットにはマストはなく、船名も消され国旗も外され、自力航行ではなく他の船にえい航されるようになっていた。出発間際に現れた仲介者は、じきに船長がやってくるだろうと告げたが、何人かは疑いを抱きヨットから飛び降りた。そして、50人ほどがそのまま出航したが、その後彼らの消息はつかめなかった。しかし2006年5月、そのヨットが漂流しているのがバルバドス島[訳注:カリブ海の島]近くで発見された。ヨットには、悪臭を放つ13の死体が残るだけだった。彼らは、およそ時速0.5キロの速度で西へ5,000キロメートル流されて大西洋を横断したのだった。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

16 ヨーロッパの問題 ― その事実 (NI p12-13の翻訳)

22 社会主義的なものと新自由主義的なもの (NI p18-19の翻訳)

24 ヨーロッパの次の一手 (NI p20-21の翻訳)

29 ヨーロッパvs対米国 (NI p6からの翻訳)

31 コンタクトポインツ Contact Points
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本国内の情報源。

32 世界の国のプロフィール Country Profile ― ウガンダ (NI p36の翻訳)

36 世界のニュース (NI p24からの翻訳)
むごたらしい写真の影響(レバノン)

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