2006年4月号

公正な貿易とは何か
Trade Justice

 

昨年12月、香港でWTO(世界貿易機関)閣僚会議が開かれた。だがこの会議では、現在の交渉が「開発」を中心議題としているにもかかわらず、実際には貧しい国々に対するより公正な貿易に関して何の成果も見られなかった。

 「公正な貿易」を求める怒号は世界中でますます多く聞かれるようなっているが、やはりそれも無理のないことだろう。だが実際のところ、「公正な貿易」とは何を意味しているのだろうか?

今月のNIでは、香港とバングラデシュからのリポートや、世界の多くの人々に不利益をもたらしている貿易システムに関する分析などを通して、公正な貿易の意味を探る。また、「間違っていること」を指摘するだけでなく、その先にあるより良いもっと公正なオルタナティブな貿易システムについても考えてみる。

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● NI No.388 目次 ●


(本文は英語です)


*<NIJ>の表示がある記事は、NIジャパンに翻訳が掲載されています。


2 公正な貿易<NIJ>
それはいったい何なのか? バネッサ・ベアードが、その発見のための旅に出る。

5 自由貿易という仮面の下で
貿易交渉を有利に進めていくための駆け引きの方法。

6 メイド・イン・チャイナ
伸び続ける中国製品の輸出の陰で、製造業が中国本土にシフトした香港は打撃を受けた。その本土では、香港よりも低賃金で、しかも労働環境は未整備で取り締まりも緩く、労働者は過酷な労働環境に苦しんでいる。

8 WTOなんかいらない<NIJ>
昨年のWTO閣僚会議では、多くの人々がWTOに対して抗議活動を行った。なぜWTOはこれほどまでに嫌われるのだろうか?

11 遺伝子組み換え米の侵略
世界中の消費者が遺伝子組み替え(GM)作物に対して懸念を示す中、インド、バングラデシュ、中国では、農民たちがGM米の導入や栽培に対して反対の声を上げている。

12 世界の貿易にひと言<NIJに一部掲載>
WTO香港閣僚会議へ抗議の声を届けるべく世界中から集まった人々が、自らの経験や考えから、WTOと現在の貿易体制に対して訴えを
熱く語る。
 ⇒今月の記事を読むOnline Reportへ

14 世界を変える実験室<NIJ>
フェアトレードは、自由貿易の脇で行われる余興でしかないのか。それとも、システムを変えていく原動力となるのだろうか。

16 搾取工場の実態
バングラデシュ製のTシャツが、考えられないほど安いのはなぜか? 首都ダッカの縫製工場の実情と、バングラデシュが直面している繊維貿易の危機について。

18 公正な貿易への道のり<NIJ>
公正な貿易を広げていくためには、国・国際レベルの改革から市民レベルの協力まで、多岐にわたる努力が必要である。

21 アクション
WTOや世界の貿易をより公正にするための政策提言を行う団体や、フェアトレードにかかわる団体の連絡先、そして貿易関連の参考文献の情報。

22 世界のニュース<NIJに一部掲載>
タンザナイトを掘る人々(タンザニア)/企業との深い関係(企業とNPO)/原始的なメディア(メディアと先住民)/水や空気もサービス?(環境とビジネス)/ほか

25 ワールドビーターズ
自らの選曲で、「私の好きなエルヴィス」というチャリティーCDを出し、アロハシャツを着て、独特の髪型をした反抗者。しかしだまされてはいけない。小泉首相は国家主義者であり、新自由主義ゲームを楽しんでいるのだ。

26 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

28 南にある現実
イラン革命当時、殉教者の血を使ってスローガンを書き、その手形を押すことがよく行われていた。この写真を撮ったKaveh Golestanは素晴らしい写真家で、1988年にはピュリッツアー賞まで受賞したが、2003年4月にイラクで地雷の爆発に遭い死亡した。

29 モンテビデオで考える
ファン・エボ・モラレス・アイマ大統領の誕生によって、先住民の国として再び生まれ変わったボリビア。

30 エッセイ ―― 水路建設の問題
水不足と洪水に悩まされてきたインドは、主要な川を結ぶ超巨大な水路建設計画を発表した。それは、インドのGNPの4分の1にあたる1,200億ドルをかけて、水路、ダム、発電所を国中に作る計画だ。しかしそれは、解決策とならないだけでなく、新たな問題をも引き起こすと懸念されている。

32 ビッグバッドワールド
次なる「テロとの戦い」の戦略とは。

33 社会を揺さぶる人々
マレーシアの移民労働者の人権を守るために闘い、もう一つのノーベル賞といわれるRight Livelihood Awardsを受賞したIrene Fernandezへのインタビュー。

34 読者の声

35 モーリシャスからの手紙
自由貿易とWTOが変えたサトウキビ産業と農民の生活。

36 世界の国のプロフィール ―― リベリア<NIJ>


 

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NIジャパン No.76 目次

(本文は日本語です)

 

 イントロダクション ― 貿易における弱者と強者

2 公正な貿易(NI p2-4の翻訳)

 地下鉄の駅からロンドンの中心部に出ると、11月の空はいつものように灰色にたれこめ、小雨がぱらついていた。
 通りの向こうには、プラカードを持ち要求を掲げながらやけに元気いっぱいの一団がいる。貿易産業省の前を通りかかると、その中の1人がスローガンを唱えはじめた。「私たちは公正な貿易を要求する! 今すぐにだ!」
 彼らやその他何千人もの人々は、議員たちに向けた大規模な圧力活動のために英国下院に集まっているところだった。雨脚の強まる中、何時間もの間、人々は質問を投げかけ、熱弁を振るい、おだてたり説得したりして最も不可解かつ複雑で、率直に言うなら陰鬱(いんうつ)なテーマ、国際貿易に関する政治家たちの態度を変えさせようとしている。
 数カ月前の夏の日、25万人もの人々がエジンバラに集結し、そこで会議を行うG8指導者に、「貧困を過去のものに」させようと努力したのを思い出す。そこでもまた人々の要求は、さらなる援助と第三世界の債務帳消しに加え、「公正な貿易」だった。
 抗議を表す目にもまぶしい白いTシャツを着た人々が延々と続いているのを目にしながら、要求を求める声を聞き、私はこう考えた。「要求するのは結構だけど、『公正な貿易』ってどういう意味? この人たちはみな、同じ内容を求めているの?」

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

7 衣料をめぐる話(NI p7、9、15からの翻訳)

10 WTOなんかいらない(NI p8-10の翻訳)

16 世界を変える実験室(NI p14-15の翻訳)

20 公正な貿易への道のり(NI p18-21の翻訳)

 まず、「より自由な貿易」によって「経済が成長」して「貧困が減少」する、などという迷信を捨て去ろう。これはよく知られている考え方で、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、ある種の政治家たちがしきりに唱えているものだ。(1)
 しかしこの考え方も、よく調べてみると怪しい部分が浮かび上がってくる。それは、ラテンアメリカやサハラ以南のアフリカを見れば明らかだ。例えば、ペルー、ハイチ、ケニアでは、市場の開放と共に貧困が悪化し不平等が拡大している。
 この分野の第一人者である米国の経済学者ダニ・ロドリックとフランシスコ・ロドリゲスが綿密に調査した結果、経済成長や貧困削減と、市場開放との間には確かなつながりは何も無いことが分かった。(2)
 国連開発計画のシニア政策アドバイザー(グローバル化担当)であるカマル・マルホトラは、「貿易量が多ければ経済成長につながると主張する研究は間違っている。唯一認められる関連性は、豊かな国ほど自国の貿易障壁を撤廃する傾向が強いということぐらいだ」と述べている。(3)
 先進国は、どの国も強力な貿易障壁に守られて成長してきた。豊かになった先進国の関心は、関税障壁を低くして海外市場へのアクセスを増やすことだった。
 これが問題の核心である。現在先進国が貧しい国々に課しているようなルールが仮に昔にもあったなら、先進国は今日のような繁栄を手に入れてはいなかっただろう。

・・・・・・ 続きはNIジャパン誌上でご覧ください

29 世界の貿易にひと言(NI p12-13から一部翻訳)

30 コンタクトポインツ
今月のトピックをもっと深く知りたい、何か行動したいという人のための日本国内の情報源。

32 世界の国のプロフィール ―― リベリア(NI p36の翻訳)

36 世界のニュース(NI p22-24からの翻訳)
原始的なメディア(メディアと先住民)/水や空気もサービス?(環境とビジネス)


 

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