2005年10月号

巨大国際NGO〜台頭する新たなグローバル勢力とその課題
BINGO! - The Big Charity Bonanza

 

国際的なキャンペーンから、つい先日パキスタンを襲った地震や昨年のスマトラ沖地震による津波被害などの痛ましい大災害の現場まで、今日の緊急支援や開発援助の最前線で巨大国際NGOは重要な役割を担っている。しかしその反面、巨大化しすぎビジネスライクになりすぎた巨大国際NGO(BINGO: Big International Non Governmental Organizations)の台頭が原因で問題や混乱が起き、北の支援者や南の活動地からも疑問や批判の声があがっている。今月のNIでは、巨大国際NGOの問題点を取り上げるとともに、「非政府」で「非営利」というNGOの原点を振り返りながら、巨大国際NGOがその内側に抱える課題を探る。

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● NI No.383 目次 ●


(本文は英語です)

2 巨大国際NGOの現状と課題
巨大国際NGO(bingo)は多くの問題を抱えたまま、ますます巨大化している。現状を見ながら、その問題の解決方法を探ってみよう。
by David Ransom

6 感情に訴えるイメージ戦略の復活
痛ましさや哀れさなど、ネガティブな感覚に訴えかけるイメージは何をもたらすのか。

7 グリーン帝国主義
巨大環境保護団体の進出によって、かえって新たな問題が増えてしまったパプアニューギニアの事情。
by Glenda Freeman

9 慈善か、それとも正義か
bingoは解決策をもたらしてくれるのか。それとも、新たな問題の種を持ち込むだけなのか。bingoと政治のかかわりについて考える。
by Mark Curtis

11 裏切られた期待と信頼
悪名高いデンマークのTvind。代表がFBIに逮捕されてしまったというこの団体は、いかにして人々の信頼を裏切りどんな行為をしてきたのか。
by Pranav Budhathoki

12 巨大国際NGO ― その事実

14 持続可能性につけられた汚点
環境よりも企業に優しい環境キャンペーンとは何なのだろうか。
by Sharon Beder

16 静かな草の根レベルの取り組み
インド政府、オックスファム、日本の国際協力銀行(JBIC)のプロジェクトと巨大資金にかき回されたインドのある地域。この地域再生のために地元の人々が地道に行った方法について。
by Pandurang Hegde

17 bingoとはいったい何なのか
bingoは貧困をなくすための効果的で効率的な仕事をしようという気があるのだろうか。
by Jeremy Seabrook

18 その寄付ちょっと待った!
私たちはどんなbingoを支援するべきなのか。寄付をする前に、このチェックリストをもとにbingoに質問をしてみよう。
  ⇒今月のOnline Report

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20 津波災害視察観光と復興ビジネス
津波直後のタミルナドゥ(インド)では、bingoによって迅速で的確な支援が実施された。しかし時間がたつとともに、bingoの支援に対する評価は下がっていった。現地では何が起こっていたのか。
by Mari Marcel Thekaekara

22 世界のニュース
劣悪な少年院の環境(ブラジル)/飢餓の原因はどこにあるのか(ニジェール)/他

25 南からの写真
ベネズエラの乾いた大地から。
by Cesar Aponte(ベネズエラ)

26 特別リポート:米国の貧困
ニューオリンズの大災害によってあらわになった、裕福な米国の中で取り残される貧困。
by Jeremy Seabrook

28 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

30 エッセイ―世界はなぜダルフールを無視するのか
ルワンダの悲劇が再現されようとしているダルフール。国際社会はなぜ真剣に取り組まないのか。
by Becky Tinsley

32 ビッグバッドワールド
貧困に感謝する観光客。
by Polyp

33 波風を立てろ
ウイグルはいまだに中国の支配下にある。そのウイグル解放のシンボルとなった亡命シンガーのサルタン・クラシュにインタビューを行った。

34 読者からの手紙

36 世界の国のプロフィール ―― ルワンダ

 

 

 

● NI-Japan No.71 目次 ●

(本文は日本語と一部英語です)

 

  

1 巨大国際NGOの現状と課題(NI p2-5の翻訳)

もしも慈善事業の支援が美徳の証しとなるのであれば、現在私たちは歴史的に徳の高い時代を迎えているのかもしれない。今日、かつてないほどの寄付が、NGOと呼ばれる非政府組織(米国ではNPO「非営利」組織という名称が一般的)に集まっている。人道面や環境面のあらゆる分野において、政党や政府も活動しているが、現在一般の人々により多く知られているのはNGOによる活動だ。

このような時代が到来するまでには少々時間を要した。慈善行為は、少なくとも豊かな国では20世紀半ばには一時的に落ち着いたが、昔から疫病や災難の悲しみに対して、はたまた工業資本主義やキリスト教を広める植民地主義を通じてねばり強く繰り返されてきた。当時NGOは、動きの鈍い官僚機構や利益にどん欲な多国籍企業とは違うとして、小規模で迅速に活動する、人々に優しくきちんとした対応をする、革新的でオープンであり、危険を顧みず難題にも立ち向かう、必要な人々を擁護する、柔軟な思考をもつ、格差縮小の努力をする、可能性を示すなどを自分たちのあるべき姿として主張していた。最終的には、例えばがんが完治することがあるように、貧困が根絶されたり環境に対する心配が不要になったりすれば、彼らは自分たちの意思で活動をやめるのかもしれない。

さて、何百年もの月日が流れ、新しい世紀を迎えたが、自らの判断で活動をやめたNGOはほんのわずかだ。その一方で、少数の団体(そのほとんどは豊かな国の団体で、米国が多い)は世界をまたにかけて活動する巨大な団体に成長し、bingoとして知られるようになった。この状況はまるでヴィクトリア時代の英国の尊大な帝国的慈善事業か、米国の泥棒貴族の元祖であるカーネギーやロックフェラーの時代に逆戻りしたかのようである。

ただ当時と違うのは、今日bingoが達成しようとしていることが極めてあいまいだという点だ。あいにく人々にはできれば施しを受けたくないと考える傾向があり、むしろほとんどの人々が屈辱的な哀れみの対象にならないよう多大な努力を払っている。だが、それはなぜだろうか。当然ながら、飢えや病気、自然災害に見舞われるということは、そうなるよりほかに選択肢がなかった、または「行為」の幅があまり広くなかったということだろう。民主主義に近い制度がいくらか存在する社会であれば、飢える人は少ないし、病気を予防したり、治療したりすることも可能だ。シアトルや東京のようなコンクリートに固められた都市に、津波警報が発令されたうえで津波が来る状況と、警報などまったくない状態でバンダアチェやガレのようなぜい弱な町を津波が襲う状況とはまるで違うものだし、十分に的確な警報が出されたニューオリンズの貧しい地域を襲ったハリケーンの時の状況もまた異なるものだ。

・・・・・・ 続きはNI-Japan誌面でご覧ください


6 Reportimg from Japan
*日本のNGOの現状と課題 
 ・NGOをとりまく欧米社会と日本社会の違い、日本のNGOが現在抱えている問題、そして日本のNGOの今後について、特定非営利活動法人「国際協力NGOセンター」(JANIC)の山崎唯司事務局長にお聞きした。

10 Contact Points
*国際協力NGO関連の書籍情報など

11 Information
*次号のご案内、編集後記など

12 世界の国のプロフィール − ルワンダ(NI本誌p36の翻訳)

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