2005年9月号

巻き返しをはかる原子力エネルギー
Nuclear's second wind

 

気候変動がもたらす危機と地球温暖化ガスの削減に対する風当たりが強まるにつれ、環境主義者、科学者、政府、産業界は原子力を利用した解決方法について熱心に語ることが多くなってきている。チェルノブイリの惨劇から20年がたとうとしているが、原子力産業に対する否定的な世論の影響は、現在少しずつ薄らいでいるようだ。そして世界のエネルギー需要が高まる中、原子力は「グリーン」な解決策として徐々に注目を浴びている。今月は、原子力への関心を再燃させた議論を検証するとともに、原子力の使用がもたらす何世代にもわたって残る影響についても報告する。

 

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● NI No.382 目次 ●


(本文は英語です)

2 原子力が惑わす温暖化対策
地球温暖化問題がクローズアップされ、原子力が注目を浴びている。現在どんな議論がなされ、それは私たちの未来にどんな影響をもたらすのか。
by Adam Ma'anit

7 技術への大きな期待と現実
私たちの考え方に影響を与えてきた「原子力時代」の遺物を振り返る。
by Paul-E Comeau

8 御用学者にはならない
科学は、原子力技術に都合良くゆがめられることも多い。政府や産業界の圧力による影響について、イアン・フェアリー博士が語る。
by Alice Cutler
PLUS:原子力発電所周辺の高い発がん率は誤差の範囲?

10 放置される放射能汚染の脅威
膨大な放射性廃棄物のずさんな管理が中央アジアの環境を脅かす。
by Gulnura Toralieva

12 原子力エネルギー ― その事実
  ⇒今月のOnline Report

14 核融合に対する勘違い
核融合という新しい技術の支持者は、クリーンで無尽蔵のエネルギーが手に入ると主張する。果たしてその真実は。
by Peter Montague

16 消し去りたい記憶
およそ20年前、史上最悪の原子力事故がチェルノブイリで起きた。マグナム・フォトの写真家、ポール・フスコがつづる、惨事から数年後に生まれた子どもたちとの出会い。
by Paul Fusco

18 汚される神聖なる大地
オーストラリアのアボリジニが原子力産業に闘いを挑むようになっていった事情について。
by Alex Kelly & Carla Deane

20 変わるのは自分から
再生可能なエネルギーは原子力の代わりにはならない? その問いは、世界各国の取り組みを読んでからもう一度よく考えてみよう。

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20 アクション
原子力は無い方が望ましい。そう考えて日々活動する団体の情報。

22 世界のニュース
パラグアイの土地無し農民の勝利/魔女のレッテルを張られた人々のより所/コロンビアの中絶事情/他

25 ワールドビーターズ
気難しく、鈍感で、うんざりするような男かもしれないが、タン・シュエはビルマのトップに立つ男で、世界で最も残虐な政権の一つを率いている。おろかな邪悪さが、これほどはっきり現れるのも珍しい。

26 ミクスト・メディア
本・映画・音楽の紹介

28 南からの写真
まき拾いをして家路につく少年。
by Carol Kaminju(ケニア)

29 ロンドンで考える
ロンドンの地下鉄で働くカシミール出身の詩人は、ロンドンは故郷と違って爆弾のことは気にせず安心して暮らせると思っていた。しかし7月7日、その考えも変わった。
by Murtaza Shibli

30 エッセイ―ブレナムとバンガロール
英国の貴族とインドの貧困に苦しむ農民との間に横たわるはっきりとした関係について。
by Rahul Rao

32 ビッグバッドワールド
どちらもやはり理不尽な殺人。
by Polyp

33 波風を立てろ
サダム・フセインの残虐な圧政に抵抗した労働組合の運動家、ハッサン・ジュマア・アワドは、今度は石油関連の労働者のために立ち上がり、イラクの占領と石油の民営化に抵抗している。

34 読者からの手紙

36 世界の国のプロフィール 〜 ウクライナ

 

 

 

● NI-Japan No.70 目次 ●

(本文は日本語と一部英語です)

 

1 原子力が惑わす温暖化対策(NI p2-6の翻訳)

原子力発電を地球温暖化の解決策とする考え方は、原子力の問題点を覆い隠し、地球環境に最適な温暖化対策の議論を行う上での障害となってしまう。温暖化と原子力両方の争点を検証しながら、地球環境の未来に適した温暖化対策についてアダム・マーニットが報告する。

 「ほとんどただのような電力」が手に入るというユートピア論がようやくおさまりかけたと思った途端、再び原子力発電推進論があちこちで持ち上がってきた。スリーマイル島やチェルノブイリの事故で失った信頼の回復を狙った広報活動が失敗した後、業界団体、シンクタンク、そして広告代理店は、原子力発電の悪いイメージを払拭させようと躍起になってきたが、限定的な効果しか現れていない。しかし近年、化石燃料への依存が原因で起こる気候変動という脅威に対して不安が高まり、これが原子力発電業界にとっては救いとなった。さらに、思いがけない方向からも支援の手が差し伸べられることになる。

 原発推進へシフトするガイア

 私が初めてそれに気付いたのは、2004年5月のことだ。その月、ガイア仮説(地球は一つのスーパー有機体として機能するという仮説)の提唱者で、今では悪名高き科学者ジェームズ・ラヴロックが、英国の新聞『インディペンデント』の第一面に記事を掲載したのである。その記事は、気候変動、人口過多、そして森林伐採による差し迫った大惨事への恐怖をかきたてる内容だった。ラヴロックはその中で、原発産業に向けられた批判を、「ハリウッド風の作り話や環境保護主義者のロビー活動、メディアの報道などによって広められる不合理な恐怖」にすぎないとして戒めた。そして、そうした怖れは根拠の無いものであり、「あらゆるエネルギー源の中でも原子力が最も安全であることは、1952年に初めて使用されたときから証明されてきたことだ」と述べ、環境保護主義者として有名なラヴロックは、「原子力発電が唯一のグリーンな解決策である」と結論付けたのだ。

・・・・・・ 続きはNI-Japan誌面でご覧ください


6 Reportimg from Japan
原子力発電に未来はあるのか
 -複雑で分かりにくい原発産業の行き詰まった現状と行方について、
  NPO法人原子力資料情報室の共同代表を務める西尾漠氏に聞いた。
           by 諸 英樹(NI-Japan)

10 Contact Points
*原発・エネルギー問題に取り組む団体と、映画(『東京原発』『アレクセイと泉』)などの情報

11 Information
*次号のご案内、NIの2006年版カレンダーと世界地図(Peters' Map)の発売について、
  編集後記など

12 世界の国のプロフィール − ウクライナ(NI本誌p36の翻訳)

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