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治療薬開発の新たな方向 |
Bucking
the trend (New Internationalist No.362 November 2003 p25) |
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世界で最も無視されている病気の治療薬のうち、欧米の巨大製薬会社が開発しなかった薬がいくつもあるが、それは、見込みのある市場が存在しないことが理由となっている。DNDi(NI 354 p33も参照)は、睡眠病、シャガス病、リーシュマニア症等に対する治療薬の一部を開発することを決定した。しかも、2010年代中に公平かつ迅速に用意することを目標に定めた。DNDiの戦略のひとつに、巨大製薬会社とのパートナーシップがある。シャンペイ自身、以前はフランスの製薬会社Rhone-Poulenc Rorer(Hoechstと合併し、現在はアベンティスとなった)の研究開発担当副社長であった。 NI: DNDiは、巨大製薬会社との間にどの様な協力関係を求め、そこから何を得たいと考えているのですか? Yves Champey: 私達が求めていることはふたつあります。ひとつは、業界の研究開発に携わる人々の専門技術や知識を利用すること。なぜならば、そこには業界で一番豊富な経験を積んだ人々がいるからです。もうひとつは、私達が特殊なプロジェクトについて協力を求めているということです。つまり、見込みある新しい薬を発見した時には、製薬化合物ライブラリー[訳注:化合物のデータベース]を利用したり、工業開発面での支援を受けたりする必要が出てくると思われるのです。
YC: 率直に言って、経済的見返りは微々たるものです。しかし、あなたもお分かりのように、研究開発分野の人々は、貧しい人々に関係するプロジェクトで働きたいし、そのエネルギーと知識を必要とする人々のために使ってみたいと考えているのです。また、小さいコストで非常に重要なプロジェクトに大きく貢献できる可能性がDNDiのプロジェクトにはあります。彼らの知識と専門技術が患者達にもたらされるということが重要です。もしもその結果、巨大製薬会社のイメージにプラスとなっても、それはそれで良いでしょう。
YC: DNDiが単独で薬の特許を持つということはありえない話だと思います。なぜなら、DNDiは実際に医化学の研究をするわけではないのですから。しかし、確実に保証される必要があるのは、最大限可能な限り患者達の利益になるような内容で特許契約を結ぶということです。治療薬を使うのを貧しい国々の特定の地域に限れば、利益は出ないか、あっても最小限となるでしょう。例えば、リーシュマニア症は、ニューヨークのベルビュー病院では症例がまったく無いのですから。
YC: 私達がジェームス・オービンスキーと共に発展させてきた考え方は、薬と保健は公共財であるというものです。しかし、現実的になる必要があります。私達が今後数年間で利用したいと考えている化合物は、この先誰かが所有してしまうでしょう。ですから、私達がその化合物を使って治療薬開発ができるという条件で、所有者と契約を結ぶことになるのです。将来的に、もしも私達の試みがうまく行けば、国際的な薬の公共ライブラリーを立ち上げることができるかもしれません。そしてそれは、「公共財」とみなされる化合物を集めた化合物バンクへと最終的にはつながって行くでしょう。しかし、それはまだまだ先の話です。
YC: 若い頃、内科医としてアルジェリアの極端に厳しい状況下で働いていました。そんな専門家に成りたての頃の経験は通常忘れないものです。私が製薬業界で働いていた時も、私は絶えず特殊な病気に取り組み、いつも「権威的」と見られない態度を忘れずに働いてきました。マーケティング、利益、市場でのシェア等をそれほど考えずにすむ場所で働くことができたのも幸運だったのだと思います。
YC: それは一滴かもしれませんが、大海も一滴が集まったものではありませんか? 私達には大した政治力はありませんが、私達のパートナー団体を通して、DNDiが政策提言力を発揮できればと期待しています。状況は複雑で潜在的な問題にまみれています。私達は確かに万全な状態ではありません。しかし、すべての情勢が決着を見るまで待っていたのでは何も起こらないでしょう。前に進むより他にどんな選択肢があると言うのでしょうか? <DNDiのパートナー団体> |
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