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世界の貿易にひと言 |
Speak
out... on trade justice New Internationalist No.388 April 2006 p12-13 |
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昨年12月、WTO(世界貿易機関)閣僚会議が香港で行われた。スーツに身を固めた各国の代表団がコンベンションセンターで会議を行うなか、市民団体や労働組合の人々、または農民や漁民などが、WTOへ抗議するために世界中から集まっていた。彼らは、現在の貿易制度に対してどんな懸念を抱き、WTOに対して何を求めているのだろうか。その声を聞いてみよう。
■タティク <インドネシア> 私は、インドネシアに残してきた家族を支えるため、ここ香港で家政婦として働いています。私は9人兄弟の8番目です。私の家族は、食べ物から着る物、教育費にいたるまで、すべてを私の収入に頼っています。経済自由化の後、インドネシアの状況は前より悪くなりました。電気代から水道代、学校に払う費用まで、すべてのものがとても高くなりました。 香港に来ている移民のほとんどは村落部から来ています。村にいても仕事などありません。でも大卒の人も仕事がなくてここに来ています。 このように、WTOの影響によって私たちは苦しんでいます。生活の向上は望めず、インドネシアに戻っても生きていくことはできません。私たちは外国に来たいわけではありませんが、そうしなければ生きていけないのです。 いろいろと良くしてくれる雇い主もいますが、多くはそうではありません。最も重要な問題は、低賃金と不公平な解雇です。また、身体的な虐待もあります。労働時間はとても長くなることがあります。たとえ寝るのが午前1時とか2時でも、6時には起きるのが当然と思われています。
■チョン・ゼ・ドン <韓国> 私は韓国の農民だ。我々は、世界を弱肉強食のジャングルにし、すべてを金持ちと貧乏人の間の闘争にすり替え、何でも商品として扱うWTOの政策に反対している。 過去10年で、韓国ではほとんどすべてのものが自由化されてしまった。その結果、農民の数は半分になり、借金は4倍になった。そして多くの農民が自暴自棄になり自殺した。その数は増えている。国が気にかけているのは市場ルールだけだ。だから農民たちは大きな失望を味わっている。 我々は、WTOの交渉から食料と農業をはずすことを要求する。農業分野における多様性を我々は支持しているし、食料の自主権と食料安全保障を守っていけるような、さまざまな異なるタイプの農業が実践されることを尊重する。
■イデリオ・ヴィナ <ブラジル> 我々は、WTOよりも公正で、労働者にもっと公正な制度を要求する。問題なのは、困窮している人々のニーズよりも、大地主や産業界の要望を優先する我々の政府だ。 二国間での貿易制度は、貧しい方の国に必ず不利となるため、ルールを整えた多国間貿易制度を持つことは重要だと思う。しかし、現在ある制度はこれとは違う。 現在ある制度に代わるオルタナティブは、形成過程にあると考える。それは、すべての人間にとってのオルタナティブとなるもので、一つの国や地域の制度をみんなに押しつけるようなものとは違うのだ。
■シャミナ・ナスリン <バングラデシュ> 非農産品市場アクセス(NAMA: Non-Agricultural
Market Access)については非常に心配しています。もしもそれが実施されれば、バングラデシュの縫製工場に勤める女性たちが最も苦しむことになるでしょう。バングラデシュの繊維産業は崩壊します。そんなことは望みません。仕事を失ってしまいます。私たちは、この国の産業を維持していきたいのです。
■ウォルデン・ベロー <タイ> WTOの枠組みの中で公正な貿易を達成することは不可能だと思う。なぜなら、WTOは自由貿易の機関であり、開発よりも貿易の方が重要と考えているからだ。
■ウィルソン・フォルタレザとエセル・ロビス=フォルタレザ <フィリピン> WTOで協議されているほとんどすべての議題について、そしてそれが私たちにどう影響してくるのかということについても、私たちは不安です。かなり心配なのは、NAMA[国内の漁業と工業を開放することになる]とGATS(サービス貿易に関する一般協定)です。GATSの最も大きな影響は、ファスト・トラック(貿易促進権限)とサービスの自由化です。これはすでに水道とエネルギー分野で起こっていて、その結果料金が大幅に上がりました。もしかすると、保健医療が次のターゲットなのかもしれません。 水、エネルギー、保健医療は、取引可能な商品のように扱われるべきではありません。公的なサービスは、政府や国家の非常に本質的な部分なのです。もしも公的サービスを提供しないのであれば、国や政府は何のために存在するのでしょうか? 警察国家を維持するための単なる税金徴収機関になってしまうのです。
■ムサ・フェイ <セネガル> 公正な貿易とは、私が思うに、すべての国々に対して公正な世界貿易ルールのことだ。このルールは、貧しい国のそれぞれの事情を考慮し、「一つのやり方をすべての国に適用する」といった方針はとらない。開発途上国には異なる待遇を設け、低開発国にはより柔軟な対応が必要だ。 これは、貿易の自由化では達成できない。どうしてかといえば、現在貿易の自由化は、市場の拡大が貧困の解決策になるという考え方が根底にある。そしてそれは、貧しい国に必要なことは、単に自国の市場を開放することだと説いており、そうすれば、富が流れ込むようになって貧困から脱出できるようになるとしている。しかしそんなものはおとぎ話にすぎない。
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AoA(Agreement
on Agriculture)=WTO農業協定
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